情報発信
  • 【フェード現象】原因と対処方法は?長い下り坂は注意

    フェード現象

    「フェード現象」とは、長い下り坂などでフットブレーキを使い続けることで、ブレーキの効きが悪くなる現象です。

    神戸市道路公社が管理している六甲有料道路は長い下り坂があるため、「フェード現象重点対策路線」に指定されており、4月18日には、運転者に適切なブレーキの使い方などを啓発するキャンペーンが行われました。

    フェード現象とは

    フェード現象は、下り坂などでフットブレーキを繰り返し使いすぎると、走行中にブレーキが効きづらくなる現象です。

    フェード現象が起こる原因

    フットブレーキを連続使用すると、摩擦材が摩擦によって高温になります。高温になった摩擦材から、樹脂やゴムなどの成分が分解されてガスが発生します。この発生したガスが、ブレーキパッドとローターの間に挟まり、摩擦力を低下させ、ブレーキの効きが悪くなります。

    フェード現象の主な症状
    • ・ ブレーキペダルが奥まで沈む
      通常よりも深く踏み込まないと、十分な制動力を得られなくなります。
    • ・ ブレーキの効きが鈍くなる
      制動力低下により、思ったように車体が止まらなくなります。
    • ・ 異臭が発生する
      高温になったブレーキパッドから焦げ臭い臭いが発生することがあります。
    フェード現象が発生しやすい状況
    • ・ 長い下り坂
      下り坂では、車重の重力によってブレーキへの負担が大きくなります。
    • ・ 峠道
      カーブが多い峠道では、頻繁にブレーキを使用する必要があるためブレーキに負担がかかります。
    • ・ 古い車・摩耗したブレーキパッド
      古い車や、ブレーキパッドが摩耗している車は、フェード現象が発生しやすい傾向があります。
    • ・ 連続ブレーキ使用
      渋滞や山道など、長時間ブレーキを連続使用する場合にも注意が必要です。
    フェード現象を防ぐためには
    • ・ エンジンブレーキを活用する
      下り坂では、エンジンブレーキを活用することで車の速度を調整し、ブレーキへの負担を軽減します。エンジンブレーキは、アクセルペダルを離すことでエンジンの回転力を利用して車を減速させます。また、ギアを下げることでエンジンの回転数をさらに下げ、より強いエンジンブレーキをかけることができます。
    • ・ 車の速度を早めに落とす
      特に下り坂では早めに減速し、エンジンブレーキを活用することで、フットブレーキの負担を軽減できます。
    • ・ 定期的なブレーキ点検
      ブレーキパッドの残量や状態を定期的に点検し、必要に応じた交換が必要です。
    フェード現象が発生した場合の対処方法
    • 1. ギアを少しずつ下げて減速
      慌てずエンジンブレーキを活用して、ギアを少しずつ下げて減速し、十分にスピードが下がったらサイドブレーキをかけて停車します。
    • 2. 安全な場所でエンジンを止める
      停車スペースなど安全な場所で停車して、エンジンを止めます。
    • 3. エンジンを冷やす
      エンジンを停止することで、ブレーキ部品を冷却することができます。
    • 4. ブレーキを冷やす
      車体を数分間放置し、ブレーキを冷却します。
    • 5. 必要に応じてロードサービスを呼ぶ
      自力で復旧が難しい場合は、ロードサービスを呼んで点検・修理してもらいましょう。
    ベーパーロック現象との違い

    フェード現象とベーパーロック現象は、どちらもブレーキが効かなくなるという危険な現象ですが、原因と対策が異なります。ベーパーロック現象は、ブレーキオイルが沸騰して気泡が発生し、ブレーキの効きが低下する現象です。ブレーキオイルの定期的な交換が必要となります。フェード現象とベーパーロック現象は、原因と症状が似ていますが、発生メカニズムが異なります。

    長い下り坂はフェード現象のリスクがあります。下り坂に入る前にしっかりと減速し、エンジンブレーキを使用しながら安全に走りましょう。