国際的な自動車安全基準を策定する国連会議にて、アクセル踏み間違い事故対策として、日本が提案してきた踏み間違い防止装置の国際基準が策定されました。来年6月の国際規制発効に合わせて、道路運送車両法に基づく省令を改正し、踏み間違い防止装置の搭載義務化に向けた準備を進めるということです。
対象
対象は、オートマチック車の乗用車の新車となり、将来的には販売済みモデルの新車にも適用されます。踏み間違い事故が起きにくいマニュアル車は対象外となります。
背景
近年、高齢者ドライバーによるアクセル踏み間違い事故が相次いでおり、深刻な社会問題となっています。国土交通省は、こうした状況を踏まえ、安全対策を強化する必要があると判断しました。
交通事故総合分析センターによると、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は2023年に3,110件発生し、38人が死亡、4.343人が負傷しました。
警察庁の統計では、車の死亡事故の原因は、75歳以上はブレーキとアクセルの踏み間違いなどの「操作不適」が27.6%を占め、最も多くなっています。
装置の基準
- ・ 障害物の1〜1.5メートル手前で止めた位置からアクセルを完全に踏み込んでも、障害物にぶつからないか、衝突時の速度が時速8キロ以下になるよう加速を抑制。
- ・ 車内の表示器で「アクセルを離してください」などと警告。
国土交通省によると、国内の大半の新車にはすでに踏み間違い事故を抑制する装置が搭載されており、規制による自動車メーカーへの影響は小さいとみられています。未搭載車には、後付けできる装置も市販されています。
この対策により、アクセル踏み間違い事故の件数や被害を大幅に減少させることが期待されています。