厚生労働省は、パート従業員の社会保険料を会社が肩代わりできる特例を2026年10月から3年間の時限措置として実施する方向で調整に入りました。肩代わりした保険料の8割を企業に還付する方向です。
2025年の年金制度改革で、パートの厚生年金加入対象が広がる見通しです。現行は、51人以上の企業に勤め、所定労働時間が週20時間以上、月額賃金が88,000円以上(年収換算で106万以上)などの要件を満たすと、パートも厚生年金に加入し保険料を負担する必要があります。
厚生労働省は、3年以内をめどに資金要件をなくし、2027年10月から段階的に企業規模の要件を縮小し、2035年には撤廃を目指しています。これにより、パートは新たに社会保険料を負担することになり、手取りが一時的に減少します。そのため、従業員が労働時間を減らすなどの就業調整を行う懸念があるため、労使折半の一部を肩代わりする特例を導入する方向を示しています。手取り減を緩和すると同時に、保険料を労使で折半する企業側の負担も軽減することを目的としています。
特例の対象は年収151万円未満の従業員で、従業員50人以下の企業と5人以上の個人事業所に限定し、2026年10月から3年間の特例として実施される予定です。特例を適用しても、従業員が将来受け取る年金額は変わらないとしています。