国土交通省は、完全自動運転に近い「レベル4」の自動車の普及を予測し、道路システムの機能向上を計画しています。2025年度までに、交差点に設置されたセンサーを使用して車や人の動きを把握する技術基準を策定する予定です。
「レベル4」とは
「特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」とし、運転者を必要としない自動運転車となります。
この自動運転車(レベル4)は、自動運転を継続することが困難な状況が生じた場合、例えば故障や天候の急変等には安全に停止することが可能であり、車内にも遠隔地にも運転者を必要としないものです。
2025年度めどに技術基準
レベル4以上の自動運転車が安全に走行するためには、道路上の他の車や歩行者などの状況を正確に分析するしくみが不可欠です。
道路の要となるのは街頭などに設置されるセンサーです。自動運転車はこれらのセンサーから送られるデータを受けて、停止や加速などを制御します。国土交通省は、カメラやその他のセンサーの性能基準や設置方法、車両へのデータ送信形式などを定めます。
特に、交差点では歩行者や自動車が入り混じり、車に搭載されたセンサーだけでは道路の状況を細かく把握するのが難しい状況です。そこで、自動車側と道路側がそれぞれ持つ情報を共有し合うことで、高度な運転を実現するとしています。
技術基準は、国際標準化機構の標準規格として採用することを目指しています。
また、政府は、2024年度から新東名高速道路の一部区間に自動運転レーンを設置する方針です。まずは、専用レーンで専用の電波を利用して実証実験を行います。これにより、車同士が通信して運転するシステムの効果を評価します。