現在は、自動車が高速道路以外の道路を走る場合の法定速度は、幅の狭い生活道路も含めて時速60キロとなっています。
警察庁は、住宅地などにあって日常的に利用され、中央線が引かれていない、道幅も狭い「生活道路」について、車の法定速度を現在の時速60キロから、一律で時速30キロまで引き下げる方針を固めました。生活道路の安全を確保するためとしています。
これまで通り、それ以外の一般道路の法定速度は60キロのままで、速度規制の標識が設置されている場合は、これまで通り標識に書かれた速度が最高速度となります。
法定速度引き下げの背景
近年、生活道路における歩行者や自転車の交通事故が依然として発生しており、特に高齢者や子どもが巻き込まれるケースが多く見られます。 こうした状況を受け、警察庁は、生活道路の安全性を確保するためには、法定速度の引き下げが有効であると判断しました。
個別に速度を規制する標識を設けるのは難しいとして、一律での速度制限となります。また、全ての生活道路に標識を設置することは難しく、特定の区域内の最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」などの対策を進めていますが、今回、抜本的にルールを改定することを決めました。
時速30キロの根拠
警察庁によると、時速30キロであれば自動車と歩行者が衝突しても、致命的な事故にならない可能性が高いということです。また、時速30キロという速度であれば、ドライバーの注意力も向上し、安全運転に繋げることが期待できます。
警察庁は、意見募集を実施したうえで道路交通法施行令を改正し、2年後の2026年9月から法定速度を見直す予定です。
意見募集について
受付期間 : 2024年5月31日〜2024年6月29日まで
警察庁 : 「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について
(https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120240015&Mode=0)