物流の「2024年問題」とは
2024年問題とは、働き方改革関連法により2024年4月以降、ドライバーの時間外労働時間が「年間960時間」に制限されることで生じる諸問題の事です。慢性的なドライバー不足の問題がさらに深刻となる事が予想され、年々増加する物流量に対応できなくなると懸念されています。
2024年問題の影響
・ ドライバーの労働時間が減少することで賃金の減少
・ 離職増加による人員不足
・ 一人当たりの走行距離・荷物の量が減少
・ 配送量の減少による、企業の売上や利益が減少
・ 運賃の値上げ、物流コストの増加
2024年問題への対策
配送料の値上げ
佐川急便は、個人向けの宅配便の基本運賃を2024年4月から平均で約7%上げるとしています。2023年4月にも運賃を8%上げており、値上げは2年連続となります。ヤマト運輸や日本郵便なども値上げを進めています。配送料の値上げにより、人材確保などドライバーの待遇改善を狙います。
物流業界は慢性的にドライバーが不足しており、将来的に長距離運送を中心に安定した事業の運営が困難になるとして、ドライバーの待遇を改善するため、各社は賃上げなど対策を進めています。
フェリー利用の増加
ドライバーの労働時間の削減につながるとして、フェリーの利用が増えています。フェリーには荷台部分のみを乗せて無人で運ぶか、ドライバーが乗船することもでき、その場合は部屋で休息ができるため労働時間を減らせます。フェリーによるトラック運送台数は11万2793台と、前年同月比で4%増加しています。
自動化による無人
ドライバーがある程度対応してきた、荷積みや荷下ろし等の荷役作業も充分に対応できなくなる可能性が高いため、荷物の積み下ろしができる自動フォークリフトや、倉庫で荷物を自動で運ぶロボット、「無人搬送車(AGV)」の導入が広がるとみられています。