働き方改革関連法により、2024年4月からトラック運転手の時間外労働は年間960時間までに規制され、連続運転も4時間以内に制限されます。これにより、1人の運転手が走行する距離が短くなり、これまでと同じ荷物を同じ時間で運ぶことが難しくなります。そのため、運転手不足に対する対策が必要です。

AIが運送ルートを自動作成

NECやNTTデータ、富士通のIT、大手3社が物流効率化に取り組みます。AIや量子技術を駆使して、共同での商品の配送や中継輸送などをスムーズにし、2024年問題への対応を進めます。

NECは、複数の荷主の商品を一緒に運ぶ共同配送向けの独自のITシステムを、2024年度下半期に商用化する予定です。
荷主の配送要望をまとめて、AIが分析して、トラック全体の荷物の積み込みを最適化するような集配ルートやスケジュールを計画します。
荷主は、荷物の量や受け取り時間、配送先などの情報を入力すると、AIが全国のトラックの運行状況や空き容量などを考慮して、自動で運行計画を作成します。荷主各社が計画を承認すると、各社の物流拠点でトラックにより商品を引き取り、配送先まで運搬します。そして、帰りも同じシステムを使用して共同で商品を配送することで、トラックの荷室の空きを減らすことができます。
また、共同実証の実施もしており、さまざまな業種の商品を一緒にトラックに積み込み、小売店やIT機器メンテナンスの拠点に荷物をスムーズに届ける方法などを試し、試験配送で見つかった改善点を取り入れ、サービスの使い勝手を向上させていきます。