総務省は2023年12月18日、25グラム以下の定形郵便物（封書）の郵便料金を上限を84円から110円に改正すると省令案で発表しました。この省令案が改正されれば、日本郵便は2024年秋ごろに110円に値上げする方針です。

25グラム以下に加え50グラム以下の定形郵便物（封書）も94円から110円に引き上げます。今回値上げされれば、消費税増税に伴う改定を除いて、1994年以来の約30年ぶりとなります。また、重さに応じて分ける2つの料金区分を統一するのは初めてになります。
2017年に値上げしたはがきも、63円から35％増の85円に値上げする方針です。

値上げの背景

郵便料金が大幅に上がる理由は、手続きがデジタル化され、SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）の普及により、毎年の郵便物が減っているためです。これにより、郵便事業の収益が低下しています。また、賃上げや輸送コストの上昇も影響しており、日本郵便は22年度の収支で、07年の民営化以降初めて郵便事業で赤字になりました。
また、郵便物の減少に対処するために、「ゆうパック」などの宅配サービスでカバーする方針を採ってきましたが、宅配を含む総取扱量は2001年から2022年までに30％減少しています。ネット通販市場の拡大などの好影響を十分に受けられていない状況です。このような環境の変化のため値上げする方針を示しています。